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クマの習性を知りたい方
クマが怖くて、登山をためらっている方
クマへの効果的な対策を知りたい方
クマ出没のニュースが多くて、怖くて登山に行けないよ…
クマへの効果的な対策を知りたいけど、どうすればいいのかな?
クマは怖いですよね。クマが人を襲うニュースや街中に出没するニュースが絶えません。しかし、クマに対してどのような行動を取ればいいかわからないですよね。
こんにちは、管理人のむらです。一番の対策はクマに合わないようにすることです。280以上の山を登った経験をもとにおすすめ対策・グッズを紹介していきます。
登山者にとってクマ被害は他人事ではありません。自分は襲われないとは思わずクマの生態と対処法を理解して、遭遇する確率を下げていきましょう。
万が一、遭遇してしまったときに取るべき行動も紹介していきます。この記事を読むことで熊への対処法を知ることができます。
日本に生息しているクマの種類
日本にはヒグマとツキノワグマの2種類が生息しています。
ヒグマは北海道のみに生息しており、ツキノワグマは本州と四国に生息。九州は2012年、環境省によりツキノワグマの絶滅宣言が出されています。
ヒグマ
ヒグマは体長2メートル以上で体重は150kgから400Kgと大型の熊。気性は荒く人や家畜を襲う事があり非常に危険です。
オスは行動範囲が広く、北海道大学した調査によると年間で495.8k㎡移動します。メスは数十k㎡ですので、メスが出没したらその周辺に1年中生息していると言われています。
過去の害獣被害の多くはヒグマでの事件です。最近では札幌の市内などの都市部にも現れることで、その危険性が問題視されています。
ツキノワグマ
ツキノワグマは体長1メートル~1.5メートルで体重は80Kg~120Kg程度でヒグマと比べると小型です。性格は臆病と呼ばれており、積極的に人を襲う事はあまりないと言われています。
ただ、2016年に秋田でスーパーKと呼ばれるクマによる食害(人間を食べること)で4名がなくなる被害が出ています。ツキノワグマだから安心とは言えなくなっています。
年間の行動範囲はオスで100〜200k㎡、メスで50〜100k㎡です。ただ、広い範囲をまんべんなく移動するのではなく、集中して利用する場所がいくつもあるのが研究でわかっています。
クマの生態
クマは基本的に単独で生活する動物です。季節や時間によって行動が異なることが研究でわかっています。晩秋(10月~11月)は冬眠に備えてブナやミズナラなどのドングリをたくさん食べるためうごきが活発になります。
その後に場所を決めて冬眠します。近年は冬眠しない個体が、各地で目撃されています。冬だから大丈夫と思い込むのは危険です。
クマの行動時間
ツキノワグマの成獣に活動量センサーを装着して活動量を測定した調査によると、朝と夕方に活動量が増えています。
朝は6時に活発的に活動を行い、夕方は17時頃に活動量のピークを迎えます。一方夜間は、1時~4時までが動きがみられないため、寝ているとされています。
日の入りと日の出前後の薄暗がりの時間帯を避けた登山計画を立てることをオススメします。
クマに注意が必要な季節
春(冬眠あけ)と秋(冬眠前)は熊が活発に動き回りますので、危険な季節です。
春は冬眠から目覚め、食べ物を求めて動き回ります。秋には冬眠に備えて食べ物を探し回ったり、冬眠場所を決めるために動き回ります。
実際に自分が長野県の駐車場で出会ったクマも秋の時期でした。春と秋には物音に注意しながら登山をしています。
1年の行動サイクルを簡単に下図にまとめました。下図の状況は地域や標高で違います。あくまでも目安としてください。
春 | 5月〜6月 | 交尾期 | 冬眠あけはエサを探して動き回る ♂は♀探しで盛んに動き回ります |
夏 | 7月〜8月 | 活動期 | 食べ物が野山に少ない時期 |
秋 | 9月〜11月 | 活動期(食いだめ) | 冬眠に備えてエサを求めて動き また、冬眠場所を探して盛んに動き回ります |
冬 | 12月〜4月 | 冬眠 | ♀は冬眠中に出産する 冬眠しない個体もいます。 |
熊の危険性
クマは鋭い爪と大きな牙をもっています。引っかかれたり、押し倒されたりすると大けがを負う事になります。
走ると最高時速50kmにもなり、走って逃げるのは不可能。木登りや泳ぎも得意ですので、木の上や水の中に逃げることは絶対にしてはいけません。
記憶能力がよく、一度自分の物となったものへの執着心がすごいです。人間が取り返そうとしたら反撃されてしまいます。仮に取り返しても、取り戻そうと襲ってきます。絶対に取り返そうとしないことが重要です。
クマに遭遇してしまったらクマから目を離さず、ゆっくりと後ずさりで離れましょう。背中を見せて逃げると、本能的にクマに襲われてしまいます。
実際にあったクマ事件を紹介します。
三毛別(さんけべつ)ヒグマ事件
三毛別ヒグマ事件(さんけべつひぐまじけん)は、1915年(大正4年)12月9日から12月14日にかけて、北海道の三毛別(さんけべつ)で発生したクマ被害になります。
襲ったのはヒグマ。被害者は7名死亡・3名重傷となっております。巨大なヒグマが一軒の民家に押し入り被害がでました。
その後村民が退治に乗り出しますが、凶暴化したヒグマは知恵を働かせて村人たちを次々と牙にかけていった事件です。日本史上最悪のクマ被害と言われています。
下記の書籍では、生存者たちへの貴重な証言をもとに描き出す戦慄のノンフィクションとなっております。ぜひ読んでみてください。
この事件は【執着心が強い・逃げるものを追う】などのクマの習性を教えてくれています。
福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件
福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件は、1970年(昭和45年)7月に北海道の日高山脈で発生した獣害事件になります。
福岡大学のワンダーフォーゲル部の部員5名は、日高山脈を縦走する目的で、7月14日に入山しています。25日にヒグマが現れて部員の荷物を漁り、テントに穴をあけるなどの被害がありました。
ヒグマが再度現れ、下山する彼らに追いついて1名を襲い死亡。はぐれてしまった1名が襲われて死亡。2名は無事下山し、駐在所に救助要請をします。
下記の書籍で福岡大学ワンダーフォーゲル部ヒグマ事件に関しての記載がありますので、ぜひ読んでみてください。
この事件では【あさった荷物を取り返してはいけない・遭遇したらすぐに下山しなければいけない】との教訓を教えてくれています。
十和利山 熊襲撃事件(とわりさん くましゅうげきじけん)
十和利山 クマ事件は、2016年5月から6月にかけて、秋田県鹿角市十和田大湯(とわだおおゆ)の十和利山山麓で発生しました。
襲ったクマはツキノワグマです。被害者は4名死亡・4名負傷と痛ましい事件。初めてクマに襲われた事件後もタケノコ採りの目的で分け入る者が絶えないため、被害が拡大しました。
クマはタケノコが好物であり食べ物がある限りその場所に居続けて食べるなど生態を理解していれば防げた事件です。
下記が関連書籍の「人狩り熊」です。ぜひ読んでみてください。
この事件では【熊の目撃情報がある際は行っては行けない】との教訓を教えてくれています。
熊に出会わないための6つの対策
クマ対策の一番有効な手段は、クマに合わないことです。クマの生態を踏まえて6つの対策を紹介させていただきます。
自分は280以上の山を登っていますが、この対策をすることで山の中では一度もクマと遭遇していません。全部意識出来ると思いますので次回の山登りから実践してみてください。
・音を出して存在を知らせる
・早朝と夕暮れには注意する
・ひとりで行動しない
・茂みには入らない
・香水や整髪料をつけない
・食べ物を適切に管理する
音を出して存在を知らせる
一番有名な対策が「音を出す」です。本来はクマは臆病な生き物だと言われています。山に入るときは一人では入らず、複数人で話しながら歩くとクマの方が距離を取ってくれます。
一人で登山する方はクマ鈴やラジオなどの音が出るものを持って登山しましょう。人の存在を知らせることで出会いを防ぐことができると言われています。
早朝と夕暮れを避ける
朝と夕暮れの登山を避けるとクマと会いづらくなります。朝6時と夕暮れの17時の薄暗がりの時間帯が最も活動量が増えているのが、クマの行動調査からわかっています。
朝と夕暮れには山中に入らないように計画をしましょう。ただ、登山は早朝に出発する事も多いと思います。朝6時と夕暮れのは熊の活動量が多い認識を持ち、慎重に行動する事を心がけましょう。
ひとりで行動しない
ひとりでの登山は避けましょう。登山中にひとりで行動するよりもグループで行動している人に対して襲う可能性が低いとされています。
一説には一人で登山しているとクマが倒しやすいと判断して攻撃してきます。可能な限りグループ登山を心がけましょう。
ひとり登山をする際は、事前に行く山域のクマ出没の最新情報をインターネットで調べましょう。1か月以内に出没情報がある場合は、登山を延期する事をおすすめします。
茂みにはいらない
見通しが良いところを歩きましょう。茂みをかき分け歩いていると人とクマがお互いに気づかないで、出会い頭に遭遇してしまいます。
山菜採りやキノコ採りでは、茂みに入ることで襲われてしまう事故が発生していますので、注意しましょう。
また、藪漕ぎ気味な登山道も存在しますので、その際は細心の注意をしましょう。
香水や整髪料を付けない
登山では香水や整髪料はつけないことが重要です。香りの強いものにクマは引き寄せられます。クマは嗅覚が犬の7倍~8倍あると言われているので、遠くの香りでも寄ってきてしまいます。
香水や整髪料はハチの攻撃性も高める習性があります。登山ではつけないようにしましょう。
食べ物を適切に管理する
クマに食料を狙われてしまう危険を回避するために、適切に管理しましょう。
1度でも人の食べ物の味を覚えてしまったクマは、再び食料を得ようとそのエリアに出没するようになります。
登山でも残飯やゴミを山に放置してしまうと、クマを引き寄せてしまいます。ガベッジバックなどのゴミ袋で密閉して、家まで持って帰って捨てることが重要です。
熊に出会ってしまったら
クマを見かけたら(こちらに気付いていない)
落ち着いてその場からゆっくり離れましょう。クマが下山ルート方面にいない場合は、そのまま下山しましょう。
気づかれていないからと言って、大声を出したりしてクマを驚かすと危険です。急に走って逃げるとクマに気づかれて、本能的に追いかけてきますので絶対やめましょう。
クマを確認しながらゆっくりと後ずさりして、その場から離れていくことが重要です。
近くで熊を見かけたら(こちらに気付いている)
熊から目を離さずにゆっくりと静かに後退します。本能で追いかけてきますので、絶対に背を向けて逃げてはいけません。
突進してくる可能性を考慮して、クマとの間に木などの障害物が来るように移動しましょう。ゆっくりと近づいてきたら両腕をゆっくりとあげて振り、穏やかに話しかけます。
熊スプレーを持参している時は、ホルスターから抜いていつでも対応できよう準備しましょう。
熊が向かってきたら
熊スプレーを持参している場合は、ロックを外していつでも噴射できるようにします。風上側へゆっくりと移動し、射程圏内に入ったら顔をめがけて噴射します。風下で熊スプレーを使用すると自分も浴びてしまい、大きなダメージを受けてしまいます。
もうダメと思ったら、防御姿勢と呼ばれる態勢を取りましょう。防御姿勢とは、おなかを地面に向けてうずくまり、足を大の字に広げて手は首のうしろにして首を守る姿勢のことです。
転がされてもその勢いで元の姿勢に戻るようにします。あとはクマが飽きるのを待つしかありません。クマが立ち去ったら避難します。
自分はクマに対抗するために必ず熊スプレーを持っていきます。熊スプレーをもっているだけで心にゆとりができ、焦らずにクマ対応をできますのでオススメです。
クマ対策グッズ 5選
東京ベル 森の鈴(BEAR BELL) 消音機能付
本体を引けばワンタッチで切替可能な消音機能付きのクマ鈴です。大きめの高音で心地よい音がします。自分も持っていますが、音が気になる場所ですぐに消音できますので便利です。
壊れてしまっても国産のメーカーなので、しっかりと対応してくれます。自分は一度間違えて分解してもとに戻せなくなりました。メーカーに問い合わせをしたら親切に対応してもらったことがあります。
信頼できるメーカーのクマ鈴を購入してみてはいかがでしょうか。
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CHUMS(チャムス) ベアベル
かわいいチャムスの熊よけ鈴です。ストラップに内臓した磁石をくっつけると音を抑えられます。山小屋などでクマ鈴の音を抑えたい時に、簡単に出来るのでオススメです。
CHUMSらしく可愛くてカラフルなデザインはもっていてテンションが上がります。オシャレなクマ鈴を購入して登山を楽しんでみてはいかがでしょうか?
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クマ撃退スプレー (ラングスジャパン)
唐辛子成分(カプサイシン2.0%含有)のスプレーで、約7~8メートルの飛距離で身を守ります。最長噴射距離は約10.5mと最長クラスです。クマや自然に悪影響が残らないように作られています。
自分は登山の時はホルスターをショルダーハーネスに装着し、素早く取り出せるようにしています。登山者がクマに唯一対抗できるアイテム。
自分はお守りとして必ず持っていきます。持っていたらよかったのにと思う前にぜひ購入を検討してください。
●サイズ : 約215mm×Φ50
●重量 : 本体/約300g、ホルスター/約100g
●内容物 : トウガラシエキス 代替フロン(HFC-134a)
●噴射距離 : 約7〜8m
●噴射時間 : 約5〜7秒
POLICE MAGNUM 熊撃退スプレー 中型
ツキノワグマ専用に作られたクマ撃退スプレー。一般的な熊撃退スプレーをツキノワグマに噴射するのは、威力が強力すぎると言われています。クマにも必要以上のダメージを与えずに撃退出来ます。
通常のクマ撃退スプレーは油性で作られていますが、この商品は水性です。誤射してしまった時には、ペットボトルの水で洗い流すこと出来るので安心して使用することが出来ます。
本州にお住まいの方は、ツキノワグマ対策として検討してみてはいかがでしょうか。
※ヒグマには向かない商品になります。
●サイズ : 約172mm×Φ38
●重量 : 本体/約160g
●内容物 : オレオレシン・カプシウム(OC)
●噴射距離 : 約5m
●噴射時間 : 約2~2.5秒
カウンターアソールト・ストロンガー
「世界で初めてのクマ対策用スプレー」として開発された「カウンターアソールト」がパワーアップしたのが、カウンターアソールト・ストロンガーです。強力な威力からクマ撃退スプレーで最高峰と言われています。
2008年の洞爺湖サミットでは「ヒグマ対策」として北海道警察本部に正式採用されたり、冒険家・大場満郎氏はホッキョクグマを3度撃退しており実績は申し分ありません。
業界屈指の性能を誇っているので、威力を重視する方は購入を検討してみてください。
●サイズ : 約213×φ59
●重量 : 本体/約380g
●内容物 : カプサイシン(トウガラシエキス)、HFC-134a
●噴射距離 : 約10m
●噴射時間 : 約9秒
まとめ
クマに襲われないようにするには、生態を理解し出会わないようにしましょう。クマのおうちである山を歩かせて頂くという気持ちが重要です。
280以上の山を登っている経験からクマ鈴の携帯とクマ撃退スプレーは必ず携帯することをオススメします。
熊に出会ってからでは遅いので、クマ対策をして山歩きを安心して楽しみましょう。ぜひ山での非日常を味わってください。あなたの安全登山を応援します!
□クマに合わないことが一番のクマ対策
熊に注意が必要な季節は春(冬眠あけ)と秋(冬眠前)
□クマに出会わないための6つの対策
・音を出して存在を知らせる
・早朝と夕暮れには注意する
・ひとりで行動しない
・茂みには入らない
・香水や整髪料をつけない
・食べ物を適切に管理する
□おすすめの熊対策グッズ
クマ鈴とクマ撃退スプレー
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