登山ノウハウ

雷のウソ/ホントを解説!登山中の雷対処法 6選【初心者向け】

こんな方におすすめの記事
  • 登山で雷に会いたくない
  • ・登山中の雷が怖いと思っている
  • ・雷の特性を知りたい
ハムちゃん

最近でも、登山中に雷にあったニュースをやっていたし、雷が怖くて登山が楽しめないよ…。

今回紹介するのは、登山に対する雷についての基礎知識です。

近年も登山中に雷に合ったニュースが絶えません。しかし一体、雷に対してどのような行動をとれば良いわからないですよね。

登山中に雷にあって、「こんなはずではなかった!・どうすればいいんだ!」とならないために、この記事を読んで、雷について対しての対処法をイメージしてみてください。

むら

200以上の山を登った事のあるむらが、登山での雷に関する知識を解説します。雷に合わないことが最大の対策です。雷に合わないための事前準備から後半では、雷にあってしまった場合の対処法を紹介していきます!

この記事のまとめ
  • 雷の基礎知識を簡単に下記を学ぶことができます!雷の特性を理解して安全登山をしちゃいましょう!
  • ・登山での落雷の危険性
  • ・雷のウソ・ホント
  • ・登山で落雷に合わない方法
  • ・落雷への対処法
  • ・おすすめの雷対策アイテム

登山での落雷の危険性

自然の猛威である雷は、いつどこに落ちるかわからず危険です。そして毎年、雷での死者は出てしまっているのが現状です。登山で雷に遭遇した場合、さらに危険性が増してしまいます。

山の中では、安全に避難できる場所が少ないことが要因です。自分も初めてすぐの頃に、山の中で雷鳴を聞いたことがあります。山の中での、大きな雷鳴は逃げ場がないので、恐怖でしかなかったです。過去に落雷事故も起きていますので、紹介させていただきます。

雷の危険性

登山での落雷事故について

登山での雷事故で代表的なのが、西穂高岳落雷遭難事故。少し昔にはなりますが、1967年8月1日に長野県の西穂高岳独標付近で高校生のパーティーが被雷してしまった遭難事故です。

この登山は、参加人数は教員5人を含む計55人の集団登山でした。日程は、7月31日に松本市を出発し、上高地で一泊したのち、8月1日の朝から西穂高に登山して、翌日に下山する行程を計画していました。

西穂高山頂にいるうちに天候が悪化し、下山中に雷の直撃を受け、生徒11名が死亡、生徒・教員を含めた11名が重軽傷を負ってしまった痛ましい事故になります。

この事故で登山においては、雷の発生が少しでも予想・予測される場合は、中止判断をする覚悟が必要だと教えてくれています。

羽根田さんの【山岳遭難の傷痕】には西穂高岳落雷遭難事故などの山岳史に残る遭難事故についての背景などが解説されています。多くを学べると思いますので、購入を検討してみてください。

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雷のウソ・ホント

車に逃げ込めば安全?

「車に逃げ込めば安全」はホントです。車に雷が落ちた場合には、まずボディー外側の金属部に電流が伝わります。そして、タイヤを通じて地面に電流を逃がしてくれます。この際、車の中には電流が流れないので、車内にいる人は影響を受けないと言われています。

周囲で雷が発生している場合は、外に出ないで車内待機しましょう。ただし、オープンカーで屋根が布製の場合は、落雷で車内にいる人がダメージを受ける可能性ありますので、安全な場所に避難しましょう。

雷の際は車に逃げ込みましょう
近くに車がある場合は、逃げ込みましょう。

雷が鳴っているときは木で雨宿りしてはいけない?

雷が鳴っているときは木で雨宿りしてはいけないはホントです。木など高いものは避雷針となって、落雷を引き寄せてしまいます。

木は電流が通りにくい為、そばに人がいたら電気を通しやすい人に電流が流れてしまう、側撃雷が発生してしまいます。

側撃雷とは、あるものに落ちた雷が途中から進路を変えて別のものに飛んでいく現象です。そのため、グループ登山で雷にあった際は、固まって避難しないでおのおの距離を取って避難を心がけましょう。

木に雷は落ちやすいので、離ましょう。
木に雷は落ちやすいので、離れましょう。

金属を外せば安全?

金属製品を身につけていると落雷に遭いやすいはウソです。

現代では身に着けた金属製品に人体を流れる電流値を減らす効果(ジッパー効果)があることが検証や実験により実証されています。ただし頭より上に掲げる事は雷を誘引する要因になるため、厳禁です。

その反対で、ゴム製品を身につけていれば安心というのも誤解です。雷ほどの高電圧に対しては、ゴム製品程度では絶縁効果はありません。雷鳴が聞こえたら、いち早く安全な場所を探して避難しましょう。

金属製品は関係ありません
金属製品は関係ありません。

傘をさすのは危険?

雷雨の際、傘をさすのは危険はホントです。傘をさすことで自分が避雷針代わりになってしまい雷を逆に呼び寄せてしまうことがあります。

これは、ストック・ピッケルなどの尖ったものも同様です。ザックにさしていたら、外して手にもって尖った部分を自分の頭より上にしないようしましょう。

光と音に時間があれば、雷は遠いので大丈夫?

光と音に時間があれば、雷は遠いので大丈夫はウソです。雷の光と音に時間差があったとしても、安全とは言い切れません。

音と光の速度には大きな差があるので、光ってから雷鳴が聞こえた時間差から距離を測る事ができます。(音の速度:約340m/秒、光の速度:30万km/秒)

雷鳴が聞こえる範囲は、10km~15kmと言われてます。雷雲の大きさは直径10kmくらいと言われています。しかしながら、いくつかの雷雲が連なっていると幅20km、長さ100kmになるなんてこともあるといいます。

上空の雲から見れば、雷が落ちた場所も自分がいる場所も大差ないかもしれません。【雷鳴が聞こえたら、安全な場所に避難を開始しましょう。】

登山で落雷に合わないためには

雷対処の一番の対策は、そもそも落雷に合わない事です。事前に準備する事で落雷のリスクを下げる事ができます。夏山など雷が発生しやすい時期はもちろんのこと、その他の季節でも必ず、情報収集をして確認を行い、登山に備えましょう。

夏山は注意が必要

みなさんもご存知なように、落雷が発生しやすい季節は夏です。平地よりも山では発生確立が上がるため危険になります。

夏は強い日差しで地表が温められることで、上空との気温差が大きくなり、午後になると積乱雲が発生しやすくなります。夏山で登山されたことがある方は、「夏山の午後は雲が多くなりガスりやすい」を体験された事があるかと思います。

夏山を登られる方は、雷予報や雷注意報を必ず確認して登山計画を立てましょう。また、「早出・早着」を心がけ、午後には下山できるようにしましょう。

雲が作られている状況
夏の谷川岳 10時ごろには、気温上昇に伴い山肌から雲が作られていました。

雷に関する予報を活用しよう

登山では、登る前の情報収集が非常に重要です。特に雷については、雷予報をうまく活用する事で、事前に雷リスクがどの程度なのかを確認する事ができます。

自分は必ず、天気予報の雷注意報や国際気象海洋株式会社の発雷確率を確認して登山計画を立てるようにしています。

天気予報についての詳しく解説した記事のリンクを貼りましたので、参考にしてみてください。

登山におすすめの天気予報サイトと活用方法

行動中も山の雲を確認しよう

行動中は雲が発達していないか、暗い雲ができてきていないかを確認しながら行動するようにしましょう。

急な冷たい風や生暖かい風が吹いたり、急に湿気た空気が流れてきたら、天候が悪化する合図です。

このような兆候があった場合は注意が必要です。スマホの電波が入るようであれば、雨雲レーダーを確認してみてください。その後の雲の動きを確認できますので、しっかりと判断した上で行動をする事ができます。

入道雲には注意
行動中に入道雲ができてきたら要注意です!

落雷に合ってしまったときの対処法

どんなに情報収集をして準備をしても、落雷に出会ってしまう事もあります。その際の対処法を紹介していきます。下記の対処を行っても完全に落雷を回避できないので、可能な限り合わないように計画を立てていきましょう。

山小屋へ避難する

落雷の音がしたら、近くに山小屋がある場合は、山小屋に避難しましょう。雷の安全地帯と呼ばれる、車・しっかりした建物などは、山の中では山小屋だけです。

山小屋に避難したら、壁や柱から1メートル以上離れて待機しましょう。近いと電気がこちら側に流れてきてしまう恐れがありますので、気を付けましょう。

山の中に東屋はありますが、東屋も避雷針となり落雷の危険があります。落雷した場合は、中にいる人の方が電気が流れやすいので、側撃雷を受けてしまう事になります。東屋からは離れましょう。

雷の時は山小屋に逃げましょう
蓼科山荘 天気が悪いときは、山小屋に避難しましょう。

姿勢を低くする

建物や車などの安全な避難場所が無いときの対処法として【雷しゃがみ】と呼ばれる姿勢があります。できるだけ姿勢を低くし、両手で耳をふさぎます。

そして足の両かかとを合わせて、つま先で立ちます。つま先立ちで、かかとを合わせるのがポイントです。

万が一、雷の電気が足から侵入しても、片足からもう一方の片足、地面へと電気を流す事で上半身まで電気を流れないようにするためです。また、つま先立ちをする事で地面との接点を減らして可能な限り電気の侵入を最小限にすることができます。

木から離れる

木は避雷針となってしまい、雷を引き寄せてしまいます。

木は本来、電気を通しにくい性質を持っているので、木の近くで雨宿りをしていると、電気の通りやすい人の方に電気が流れてしまい、側撃雷を受けてしまいます。

側撃雷を回避する為に、木からは離れましょう。森林を歩いている場合は、どうしても木から離れられないと思います。そういう場合は、周囲で一番高い木からは離れるようにしましょう。

雷の時は木から離れましょう

山頂、尾根、岩場から離れる

雷が発生している場合は、山頂・尾根・岩場は最も危険なエリアです。

山頂や尾根は開けているところが多く、またほかの場所よりも高い位置にあるため、登山者が立っていると避雷針となり雷を引き寄せてしまいやすくなります。

山頂や尾根での落雷事故が起きていますので、即座に離れましょう。離れられない場合は、窪地に身を寄せ、雷しゃがみをして雷が通り過ぎるのを待ちましょう。

一方で、岩場も雷が落ちやすい場所になります。岩は、木と一緒で電気を通しにくい為、地面へ電気が逃げず、そばに人がいたら電気を通しやすい人に電流が流れてしまい被害に合ってしまいます。雷が発生しているときは岩場からも離れて待機しましょう。

雷の時は、稜線からも離れましょう
金峰山の稜線 落雷発生時は離れましょう。

尖ったものをしまう

尖ったものも避雷針となり雷を引き寄せてしまいます。自分のザックにストックやピッケルをさしていたら、外して手にもって尖った部分を自分の頭より上にしないようしましょう。また、雨が降っていても傘は差さないようにしましょう。避雷針となり危険です。

ストックは閉まって、自分の頭より上にしないようにしましょう

一か所に集まらない

グループで登山をしている場合は、一か所に集まって避難する事は避けましょう。グループ登山だと近くでワイワイしながら登山すると思いますが、雷の時は厳禁です。

仮に誰かひとりが落雷を受けてしまった場合に、近くにいる人にも電気が流れて被災してしまいパーティーが全滅してしまう可能性があります。

そうなってしまうと助けを呼んだり、応急処置をできる人がいなくなってしまいます。3メートル以上の間隔を開けながら避難していきましょう。

おすすめの雷対策アイテム

ラジオ

雷雲が近付いてくると、「ザザッー」とか「バチバチ」などの、耳障りな雑音が入ってくることがあります。雑音が入ってい来たら、すぐに安全な場所への避難する準備をしましょう。

ラジオはクマよけや天気予報にも使用できますので、1つは持っていて損はないと思います。活用を検討してみてください。おすすめモデルを紹介していきます!

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大画面液晶でプリセット登録してある放送局名を日本語で表示してくれます。直感的にかんたん操作できます。また、操作しているときに光ることで、暗い場所でも見やすく便利になっています。

薄さ約17mm・重さ約88g(乾電池含む)となっており、登山にはピッタリのコンパクトボディになっています。もちろん、ワイドFM対応です。

自分でも情報を集め、登山計画を立てれるようになることで、山行の全体感を把握でき、ペース配分や持っていく装備などもしっかりと考える事ができ、安全登山につながります。
また、登山計画をしっかりと作成する事で、登山届けも作成できて提出する事ができます。

そうは言っても、どのように登山計画を立てればいいのかわからない事もありますよね。この記事を読む事で、初心者の方でも簡単に登山計画が立てれるようになります。

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TOSHIBA 携帯ラジオ TY-SPR6(N) [AM/FM /ワイドFM対応]

USB充電、乾電池でもどちらでも使える2WAY電源が最大の特徴です。

今まで充電台を利用した充電に対応したモデルは出ていましたが、このモデルは、USB Type-Cにて充電が可能です。最近登山アイテムも充電タイプが増えており、バッテリーを共用できるため、軽量化にも貢献してくれます。

また、見やすい液晶パネルが搭載されていて電池残量も確認する事ができます。薄さ14mm 重さ55g(乾電池含まず)とコンパクト設計になっています。コストパフォーマンスに優れたモデルとなっています。

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携帯型雷警報機

雷鳴が聞こえる前に雷雲の接近を知らせてくれるのが、雷警報機です。雷の接近を雷鳴よりも早く探知する事で、迅速な避難行動ができるようになります。

雷鳴は10km程度しか届きませんが、雷雲はいくつかが連なっていると幅20km、長さ100kmになることも。怖い事ですが雷鳴が聞こえる前から、雷の射程圏内に入ってしまっている事があります。雷からの避難は、雷鳴が聞こえる前にする事が重要です。

観天望気で雷の予兆をある程度予想する事はできますが、雷鳴が聞こえる前に確実に知るのはなかなか難しいです。

未然に教えてくれるのが雷警報機ですので、登山だけではなく、キャンプや野外コンサート・子供の習い事(サッカー・野球など)・農作業などでも活用できます。ぜひ、購入検討してみてください。

警報雷機 ストライクアラート2

75gと小型の携帯型雷警報器です。60km以内の落雷をとらえる事ができ、雷鳴が聞こえる前に雷雲の接近がわかります。落雷の発生・距離をLEDランプとアラーム音でお知らせしてくれます。落雷発生後、最新の2分間に落ちた、最も近い落雷までの距離を踏まえて、常に危険度を知らせます。

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まとめ

尾瀬ヶ原

登山における雷対策について説明させていただきました。登山中の雷は、過去に大きな事故もあり、非常に危険です。

雷対策においては、雷に合わないようにすることが最大の対策です。ただ、どんなに気を付けていても雷に遭遇してしまう事もあるかと思います。

雷雲に出会ってしまったときの対処法を実践する事で、少しでも落雷のリスクを減らして行動していくことをおすすめします。さらにリスクを下げるために、雷対策アイテムの購入を検討してみてください。

ぜひ山での非日常を味わっていただければと思います。あなたの安全登山を応援します!

登山中の雷対処法 ポイント 6選

①山小屋へ避難する
②姿勢を低くする
③木から離れる
④山頂、尾根、岩場から離れる
⑤尖ったもの(トレッキングポールやピッケル)をしまう
⑥一ヶ所に集まらない

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