登山ノウハウ

初心者向け初めての登山計画の立て方 7つのステップ

山登りでの計画の重要性

友人・知人に登山経験者がいる場合は、一緒に行く事ができます。ただし、人にまかせっきりはよくありません。登山の基本は自己責任です。自分が遭難してしまったら、自分に危険が降りかかってしまいます。しっかりと自分でも情報を集め、登山計画を立てれるようになることで、山行の全体感を把握でき、ペース配分や持っていく装備などもしっかりと考える事ができ、安全登山につながります。
また、登山計画をしっかりと作成する事で、登山届けも作成できて提出する事ができます。

そうは言っても、どのように登山計画を立てればいいのかわからない事もありますよね。この記事を読む事で、初心者の方でも簡単に登山計画が立てれるようになります。

そこで、今回は初心者の方におすすめの登山計画の立て方をご紹介していきます。

山小屋紹介
残雪期の浅間山

登山計画 7つのステップ

登山計画を作成するにあたり、実施する重要な内容を7つのステップに分けて説明していきます。このステップを踏むことで、誰でも簡単に登山計画を立てれますので、確認していきましょう。

①登りたい山の情報収集する

テレビ・YouTubeなどを見て、登りたい山があったらインターネットで検索してみましょう。例えば、【高尾山】に登りたいとします。高尾山でもメジャーな登山ルートは6ルートもあります。それぞれのルートで難易度や特徴がありますので、事前にインターネットで【高尾山 登山】と入力して検索するといろんな情報が出てきます。この時に自分で歩き通せるかを考えてみましょう。歩き通せる自信がない場合は、ロープウェイの有無もチェックしましょう。高尾山であれば、ロープウェイがありますので安心です。しっかりとチェックすべき情報は、公式HP、観光協会や山小屋・ビジターセンターなどの公が発信元の情報です。個人のブログや山行記録は、リアルタイムの状況だったりするので非常に参考になりますが、それぞれ体力や登山技術が違うため、過信は禁物です。参考程度にしましょう。

青年小屋と権現岳(八ヶ岳)山小屋はホームページがあるので、山の名前と山小屋で検索してみてください。

②登山地図の準備

次に登山地図の準備です。登山地図は、代表的なもので【山と高原地図】があります。【山と高原地図】は登山に必要な様々な情報が色々と掲載されています。危険個所や分岐、そして計画を立ているために必要なコースタイムが載っていますので、購入するのがおすすめです。そのほかに観光ガイドブックも購入すると登山後の楽しみが一層広がります。

最近では、スマートフォンのアプリでも登山地図を確認できるアプリがあります。GPS機能を使う事で、スマートフォンの電波が入らない山でも自分の現在地を把握する事ができます。今や、登山アプリは登山者にとって安全登山する為にはなくてはならない存在です。
登山地図アプリは、【YAMAP】/【ヤマレコ】/【山と高原地図】がおすすめです。
ぜひとも登山地図アプリを活用しましょう。自分も登山地図アプリを使用しています。いざ、迷いそうな場合には、非常に頼もしい存在です。
下記に登山地図アプリ紹介を詳しく説明している記事がありますので、のぞいてみてください。

関連記事:登山地図アプリおすすめ3選と厳選便利アプリ

③用意した地図や情報をもとに山とルートを決定する

次は山とルートの選択です。
ここで重要な事は、一番自分のレベルに合った山のルートを選ぶ事です。
何の練習もしないで、岩場を登りに行くことや3時間しか歩いたことがないのに、8時間以上の山行を行うのは非常に危険です。優しい岩場で練習を積み重ねてから岩場のあるルートを計画したり、徐々に歩行時間を伸ばしていくように計画をして行きましょう。自分のレベルに合っていないと岩場での滑落や体力が持たず動けなくなったりして、遭難をしてしまい、自分の命を危険にさらす事になります。

また、ルートを選ぶポイントは、安全性です。危険箇所(鎖や岩場)の有無や歩行時間を確認しましょう。また、迷いそうな分岐やポイントがあったら、地図に書き込むなどしてルートを事前にイメージすると体力的に持ちそうかなどを確認でき、安全登山につながります。

初心者の方は、ロープウェイがある山がおすすめです。登りでつらくなったらロープウェイで下山できると思うと余裕を持った登山ができ、楽しむ事ができます。

自分は始めたばかりの時に、4時間ぐらいしか歩いた事がないのに、行けると思いいきなり8時間の山行を実施し、下山で膝が痛くなり大変な思いをしました。山に行くと徐々に感覚がインフレして自分のレベルより上の行動を取ってしまいます。自分も含め、皆さんもルート選びの際には注意して安全登山をしていきましょう。

自分の行動履歴
YAMAPでの自分の常念岳の登山ルート

④大まかな行程を決定する

ルートを選択した後は、大まかな行程を決定していきます。
地図を確認すると【1:10▶】のような記載があります。この内容は三角の方向に進む際に「1時間10分程度」かかるという目安のコースタイムになります。この時間にはもちろん休憩時間は含まれていません。休憩時間も考慮してコースタイムを足し算して割り出しましょう。休憩時間は初めのうちは多めに計算(30分に1回5分を目安)すると余裕が生まれる計画になります。できれば初めていく山は、コースタイムの1.5倍で計算しておくと不足の事態にも余裕をもって対処できますので、おすすめです。このコースタイムをもとに下山予定時間から逆算すると登山開始ギリギリの時間が計算できます。下山予定時間は15時が目安になります。これは、日没時間が関係しています。山の中は日没後は暗闇に変わります。暗闇の中の登山は、暗くてつまずいて転落する可能性が高まるなど非常に危険です。登山では、暗くなる前に必ず下山できるように計画を立てましょう。登山の基本は【早発早着】を心がけましょう。

山の地図の見方
丹沢の山と高原地図 矢印とコースタイムが記載されています。

⑤登山口のアクセス方法を決定する

登山開始時間が決まったら、登山口までのアクセス方法を考えます。準備・トイレやストレッチをするために登山開始の30分前には到着できるようにしましょう。アクセス方法は公共交通機関やマイカーになると思います。マイカーでは、登山口の駐車場がわかりづらいことがあるので道迷いに注意が必要です。また、渋滞も考慮して余裕のある計画を立てましょう。また、トップシーズンの北アルプスでは、駐車場を確保するのが非常に大変です。土日に行かれる方は、早くいかないと駐車場に停められない事があるので、注意が必要です。公共交通機関のメリットは、なんと言っても乗っているだけで着くところです。ただし、人気の山やトップシーズンは混んでいますので、早めに並ばないと乗れない事もあります。どちらが自分の好みにあうか考えて決めるといいです。自分は、好きな時間に出発したいのでマイカー登山の方が好きです。ただ、駐車場戦争にはいつも悩まされています。

登山口の駐車場の説明
武甲山の駐車場

⑥山でのトラブルに備える

山行に適した装備

まずは、山行に適した装備が必須です。どんなに晴れ予報でも、山の天気は変わりやすいので、雨具は持っていきましょう。夏でも悪天候になったら、低体温症になる事があるので、防寒着は必要ですし、冬であれば、低山に行く際でも必ず、軽アイゼン(チェーンスパイク)を持っていきましょう。必要な装備がわからない方は、「季節・登山・持ち物」で検索してみましょう。

エスケープルートの確認と設定

意外と設定されていない方もいると思いますが、エスケープルートの確認と設定も重要です。エスケープルートとは、日本語では退却路という意味です。当初の計画での行動が困難になった場合に、安全圏にたどり着く確率の高いルートのことを指します。山では予期せぬトラブルに見舞われる事があります。そうなってしまうと当初の計画通りの山行はできなくなってしまいます。その際に有効なのがエスケープルートです。山によっては、途中で下山できるルートがあることがあります。そのようなルートを事前に検討し、計画に入れ込んでおきましょう。ただ、山によっては引き返す事しかできない為、事前に12時になったら帰るなど、引き返す時間を設定する事もエスケープルートになります。必ずエスケープルートは設定するようにしましょう。

天気に関する備え

天気予報は必ずチェックしましょう。先にも書きましたが、天候により低体温症になってしまったりしてしまいます。また、濡れた岩場では滑りやすく難易度が非常に上がりますし、雷予報を確認せずに山行を計画すると、落雷に合う危険があります。天気はしっかりと検索してください。下記に天気予報に関する記事がありますので、のぞいてみてください。

関連記事:登山におすすめの天気予報サイトと活用方法

天気予報活用方法サイト

⑦登山届けの作成と提出方法の確認

登山が決まったら、登山届を作成します。【登山届】とは日時やメンバーや登山ルートなどを警察などの第三者に知らせるための物です。登山届を出すことで、万が一の遭難などのトラブルの際に迅速な救助活動をするために利用されます。また自治体によっては義務化されています。行く山を誰にも伝えないで遭難したことを想像してみてください。どの山のどのルートに行ったのかがわからないと捜索のしようがありません。必ず登山届は提出するとともに家族がいる方は行く山とルートを書置きやメールするようにしてください。自分は嫁に口頭で伝えた事もありますが、登山が趣味でないので後で聞くとうろ覚えでした。それからは必ず行く山とルートを書置きかメールしています。救助の際の一番の頼りは家族です。正確に伝えましょう。

次に登山届の提出場所です。登山口によっては登山届の提出場所がない場合があります。事前に提出場所があるか確認しておきましょう。【登山届ナビゲーションCompass】であればネット上で登山届が可能なので使うことをお勧めします。自分は、始めたばかりのころは登山口で提出していたのですが、提出場所がなく困った事がありますので、今は、Compassで必ず提出しています。

まとめ

これまで紹介させていただいたように、登山計画を立てる事は登山する上では、非常に重要です。今回紹介させて頂いた7つのステップを踏むことで、簡単に登山計画を作成する事ができます。登山計画を立てる事で山行全体のイメージもわきやすく登る前から楽しめたり、遭難のリスクを減らす事ができます。また、一人での登山もする事ができるようになるため、登山の幅が広がります。

お気に入り山を見つけて登山計画を作ってみませんか?
連れていかれるだけの登山とは一味違った登山を楽しむ事ができますよ。
ぜひ山での非日常を味わってください。あなたの安全登山を応援します!やってみよう!

7月の苗場山

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