ペットボトルではだめ?登山でのマイボトルの必要性
登山ではたくさんの汗をかくため、水分補給が欠かせません。そんな水分補給をするには、ペットボトルではなく登山用水筒が便利です。
各メーカーから、保温ボトルやウォーターキャリーに便利なタイプなど色々なモデルが販売されています。
保温ボトルにお湯を持っていく事で、低体温症になりそう時にお湯を飲むことで対応できたり、マイボトルを持っていくことで、ゴミを減らす事ができます。ただ、色んな種類がありどれを選べば良いか迷ってしまいますよね。
初心者の方へのおすすめは「ナルゲンと山専ボトル」です。自分の経験を踏まえて良し悪しを説明していきます。
この記事を読むことで、水筒の選ぶポイントを学ぶ事ができます。特性を理解することで今後買い替えや買い足し時に自分で選ぶ事ができるようになります。
そこで今回は、「登山用水筒」について詳しく説明していきます。また、おすすめの商品をご紹介します。参考にしていただければと思います。
登山水筒の4タイプの特徴
保温ボトル
保温ボトルは、みなさんがイメージする水筒です。金属でできた水筒は、保温・保冷に優れています。さらに登山向けに作られたモデルは一般的な水筒よりも性能が高く作られています。
夏は冷たい水を飲む事ができたり、寒い日には暖かいものを飲むことができます。自分は夏でも、お湯を持ち歩いています。
理由としては、夏でも低体温症になる可能性があるのでその対応のためにお湯を飲めるようにすることと、山頂でカップ麺やコーヒーを作ったりするためです。
ただし、モデルによっては、パッキン部分が洗いづらい・部品点数を洗う手間がかかります。
プラスチックボトル
プラスチックボトルは軽量で丈夫な点が魅力的な水筒です。モデルによっては、耐熱温度が100℃〜-20℃となっており、寒い日にはお湯を入れることで湯たんぽの代わりにすることもできたり、行動食のナッツやお菓子を入れて持ち運ぶこともできますので汎用的です。
ただし、物によっては密閉性が悪く、バックパックの中で水が漏れてしまう事があります。これを防ぐには、信頼できるメーカーのものを買うことで対応が可能です。また、プラスチックボトルなので、保温ができないので、夏の暑い日には水がぬるくなることがあります。
ソフトボトル(ウォーターキャリー)
ソフトボトルは、折りたたみができる水筒で、ウォーターキャリーとも呼ばれているアイテムです。大容量の水を運ぶ際は、ボトルタイプだとかさばりますが、ソフトボトルは水が入っていない部分は折り畳む事ができ、コンパクトに水を運ぶ事ができます。
ただし、破損したり、穴が空いて水漏れする可能性があるので注意が必要です。自分は対策として、2リッターの水を持っていく際は、2リッターのソフトボトルではなく、1リッターのソフトボトルを2個持っていくことで、一つが穴が空いても対応できるようにリスク分散をしています。
ハイドレーション
ハイドレーションとはソフトボトルに吸引チューブが取り付けられた給水システムです。主に、ハイドレーションはバックパックの中に入れておき、飲み口を口元に出しておいて水を飲みたいときに使います。ザックを下ろさなくても水が飲めるのでとても便利です。使ってみると、手軽さに驚きますよ!おすすめのサイズは、2Lになります。ソフトボトルとは違い、何個も持っていっても入れ替えが大変ですので、汎用的に使える2Lがおすすめです。
ただ、洗うのが面倒なのが、自分が感じた一番のデメリットです。ソフトボトル部分を洗うのはもちろんですが、チューブを洗うのが大変です。これに関しては、ハイドレーション専用のクリーニングセットを使うことで対応ができます。その後乾燥させるのも意外に大変です。しっかりと乾燥させないとカビが繁殖してしまいます。これに対しては、キッチンタオルをくねくねワイヤーに巻き付けて水分をとるなどの対策があります。そのほか、ゴムの匂いが気になるや冬の寒い時期に使うとホースの中の水が凍ってしまうなどの難点がありますが対応方法があるので、ハイドレーションの紹介をする際に、細かく説明させていただきますのでお楽しみにして下さい。
登山水筒のサイズを選ぶポイント
登山の水筒サイズを選ぶポイントはズバリ、登山計画で必要な水分量です。自分は初めの頃に水分が足りなくなったことがあり、その時は脱水になり下山で非常に大変な思いをしました。
初心者の方は、必ず必要な水分量を計算して持っていきましょう。そのほかに、現地でどのくらい調達できるのかを検討しておくことで、必要以上な水を持たなくてすみますので、登山に慣れてきたら現地調達を少しづつやってみることをおすすめします。
では、実際にどのくらいのすいぶん量が必要となるのか、わからないですよね。
そこで、水の必要量の基本的な計算方法をご紹介しますので参考にして下さい。
登山における水分の適量について
天候、気温、ルート、運動強度、自身の体質にもよりますが、日本山岳ガイド協会では、これらの計算式が使われていますのでご紹介させて頂きます。自分もこの計算式で必要な水分量を算出して参考にしています。
まずは、給水量についてです。給水量とは、登山するために必要な水の量になります。必要な水分量(給水量)は、かく汗の量(脱水量)の70~80%が必要になっています。
給水量 = 脱水量 × 0.70~0.80
次に、かく汗の量を把握するための計算式についてです。
脱水量 = 体重(kg)× 行動時間(h)× 5(ml)
では、実際に計算してみましょう。体重60kgの登山者が7時間行動した場合の、汗の量は
脱水量 = 60(kg)× 7(h)× 5(ml)= 2100mlになります。
この汗の量を、先の給水量の計算式にあてはめてみると、体重60kgの登山者が7時間行動した場合の必要な水分量が分かります。計算してみると。。。
給水量 = 2100ml × 0.70~0.80 = 1470ml~1680mlとなります。
ただし、行動に必要な水分量のみ持っていくと足りなくなる事がありますので、調理用(カップ麺やコーヒーなどを楽しむための調理用と予備用の水分を足すのを忘れないでください。体重60kgの登山者が7時間楽しむためには、2000ml〜2500mlくらいあれ良いと思います。
自分の水筒スタイルのご紹介
ここでは、自分の山行を例に紹介させていただきます。これが絶対ではありませんので、少しでも参考にしていただければと思います。
行く山:大菩薩嶺 登山の季節:秋 コースタイム:5時間20分 体重:57キロ
まずは、必要水分量の計算です。
57(kg)✖️5.3(h)✖️5(ml)✖️0.7=必要量は1057mlです。山頂で使用するカップヌードル用で300mlとコーヒー用200mlです。また、予備の水を300ml持っていきますので、トータル1850mlを持っていきます。
持っていく水筒の種類内訳は下記です。
- プラスチックボトル(500ml)
すぐに飲めるようにバックパックのベルトに置いておきます。 - ソフトボトル(500ml)
プラスチックボトルの水が無くなったら、ここから補充します。
1リットルのものに500mlを入れていきます。 - 保温ボトル(500ml)
山頂での調理用です。持っていく事ですぐにご飯が作れます。 - 予備用として未開封のペットボトル(300ml)
怪我をした際の洗浄用や水が足りない際に使います。
上記の内容をベースに、自分に合った水分量を見極めていきましょう。自分は暑い日は多めに1.3倍にして、2500mlにしたり、山小屋で水を補給できる場合は、そこまでの行動時間で計算したりもします。ただ、水場での水分補給を検討する場合は、水場が枯れている場合があるので注意が必要です。
おすすめの水筒 7選
ここでは、それぞれの水筒タイプのおすすめを紹介していきます。参考にしてみてください。
サーモス(THERMOS) 山専ボトル500ml 【保温ボトル】
山用ボトルと言えば、山専ボトルです。サーモスの山専ボトルは、その名の通り山専用に山の厳しい条件を想定して開発されたステンレスボトルです。特徴としては、非常に保温性が高いことです。500mlのボトルでは6時間後でも77度をキープしてくれます。朝にお湯を入れても、山頂でカップラーメンが食べれます。山での使い勝手を考えられており、蓋の部分には滑り止めがついている事で、手袋をしたままでも開けやすいようになっています。注ぎ口は、ダブルスクリュ-せんを採用しており、回しやすく注ぎやすいです。さらには、そこにカバーが取り付けられており、落としてしまった際にも衝撃に対応できるように配慮されています。また、約280g軽量になっておりますので、負担の少ない設計になっています。一人の山行であれば、500mlをおすすめします。サイズ展開は、500ml・750ml・900mlとなっていますので、山行に合わせて選ぶ事が可能です。