登山を楽しむうえで欠かせないのが天気を確認する事です。ただ、天気予報サイトによって予報が違っていたりして困った事はありますよね。
そんなあなたに向けて、山の天気予報に詳しいサイトや気象条件を調べやすいサイトを説明していきます。
また、天気予報サイトを活用方法も説明していきます。
結論になりますが、天気予報サイトの活用方法としては、複数の天気予報サイトを確認する事が重要です。また、登山計画も第三候補くらいを用意して、選べるようにしましょう。
自分も始めたころは、1つのお気に入りの天気予報を信じて登山をして、悪天候に見舞われて大変な目に会ったことがあります。
その経験を踏まえて、登山におすすめの天気予報サイトと活用方法について説明していきます。これから紹介する天気予報サイトは大活躍間違いなしです。
これを読むことで、色々な天気予報サイトを押さえることができ「天気選びでの失敗を減らす事」ができます。
そこで今回は「天気予報サイトと活用方法」について詳しく説明していきます。
天気の重要性
登山における天気は、命にかかわる事もある、安全登山をするために大切な要素の一つです。
登山では、山岳気象遭難という言葉があります。予想外の悪天候は、気象遭難事故を起こす引き金にもなりかねません。
特に、悪天候の代表的な状況が「雨が降り、強風が吹いている」状況です。この状況下では雨で体を濡らし、強風でさらに体温が奪われる事で低体温症になり、命の危険にさらされてしまいます。
気象遭難で有名な事故がトムラウシ山遭難事故です。
北海道でのツアー登山での事故となります。旭岳温泉を起点に大雪山系の主稜線を縦走し、トムラウシ山までの2泊3日の登山行動を予定していました。
3日目の2009年7月16日早朝から夕方にかけて北海道大雪山系トムラウシ山にて悪天候に見舞われ、ツアーガイドの方と登山者の計8名が低体温症にて死亡した痛ましい事件になります。
この事件は、夏山にもかかわらず、悪天候に見舞われる事で低体温症を発症してしまいました。誰もが、気象遭難に陥るリスクがあることを教えてくれています。
気象遭難の事例を無駄にすることがないように、天気を甘くみないでしっかりと天気予報を確認して、登山計画を立てて気象遭難のリスクを下げましょう。
おすすめの天気予報サイト5選
気象庁
誰もが知っている気象庁は国の行政機関です。全国の気象・地震・火山などを観測して、その資料を収集・配布し、天気予報や気象警報を発表しています。
天気図はもちろんのこと、過去の天気データーやアメダスなど、ありとあらゆる気象に関する情報があります。
特に週間天気予報解説資料は非常に参考になります。ただし、平野部の天気のみですので周辺の天気予報も確認しておきましょう。
てんきとくらす(通称:てんくら)
登山天気と言えば、通称:てんくらと呼ばれる。「てんきとくらす」です。多くの登山者が参考にしているサイトです。特徴は何と言っても【登山指数】です。
登山指数は、山頂や山麓の気象条件から登山の快適さを表現した指標です。降水量、風速、雲量などを総合的に考慮し、気象条件を独自計算をしてA・B・Cで表現してあります。
一目で登山の快適さがわかる事や山頂付近の標高での風速と気温が表示されているので参考になります。簡易参考するのに適したサイトです。
てんきとくらすのイマイチポイント
ただ、てんきとくらすの登山指標については、何を示しているのかがよくわからないです。
行きたい山が登山指数Cにもかかわらず、隣の山が登山指数Aだったりします。
また、登山指数が良いときに行っても、天気が悪いときがあります。
更新頻度は多いのですが、天気予報の詳細状況がつかめないのイマイチポイントです。
tenki.jp
tenki.jpは日本気象協会が運営している天気予報サイトです。Webサイトに掲載されている情報は無料で閲覧でき、随時更新されます。
山の天気に特化したサイトではありませんが、非常に見やすいサイトでお気に入りです。自分は2週間天気予報があるので、少し先の計画を立てるのに活用しています。また、前日や当日も他のサイトと見比べています。
tenki.jp 登山天気
こちらのサイトも日本気象協会が運営しているの登山天気アプリです。山の麓から山頂までのルート沿いのピンポイント予報など、気象業務法の観点から不特定多数の方に公開することが出来ない情報も含まれており、特定の利用者を対象とするために有料アプリとなっています。利用料金は月額240円です。
3百名山が登録されており、好きな山をマイ山として登録しておくことで、瞬時に天気予報が確認できます。
このサイトの特徴のひとつ目が、山コンディションです。最新の山の状況が一目でわかるようにA~Dの5段階で登山をするときの快適度を指数化しています。
次に標高別の天気・気温・降水確率をピンポイントで確認できます。そのため、それぞれの登山口から山頂までの地点ごとの予報を確認できるため、ルート選択に活用できます。
初月無料ですので、一度使ってみる事をおすすめします。
出典:YouTube
tenki.jp 登山天気のイマイチポイント
初月は無料ですが、2ヶ月目以降は有料で自動更新となってしまう点です。
使ってみて満足いかなかった場合や登録解除を忘れていると勝手に課金されてしまう為、更新タイミングを気を付けて手動で解約する必要があります。
ヤマテン 山の天気予報
山の天気予報「ヤマテン」は、山岳気象予報の第一人者猪熊 隆之率いる専門家チームが運営しているサイトです。
猪熊さんは、2008年に日本人登頂隊がエベレストにアタックした際に、山頂部は晴天であるという正確な予報を提供して日本人登頂隊を成功に導いた方です。
また、「イッテQ登山部」の撮影にも参加しており、実績は申し分ありません。
天気に関する講演や著書も数多くあり、自分も読んだ事があります。
「ヤマテン」は山の天気予報に特化したサイトになります。登山者目線での天気予報を心がけており、低体温症のリスクが高まるのかなど、登山者の行動判断に役立つ情報が満載です。
山の天気予報「ヤマテン」は、フリープランでは閲覧できるのが20山に限定されています。
プレミアム会員で月額330円を払えば、330山すべての詳細予報ページが確認できるため、天気予報にお金をかけれない方は、使う事ができません。
ただ、有料ですが登山初心者にもやさしく、登山リスクが高いときは、警戒事項や大荒れ情報をアラート発信してくれるので、一度使ってみてはいかがでしょうか。
ヤマテンのイマイチポイント
入会する注意ポイントとしては、利用料金の日割り計算はしていないので、月の途中での入退会でも、その月の利用料金が発生してしまいます。入会・退会時は注意が必要です。
雷予報・風予報サイト
通常の天気予報サイトと違い、雷予報と風予報に特化したサイトをご紹介します。大まかではありますが、予報を簡単に確認できるので確認する事をおすすめします。
国際海洋気象株式会社
雷予報で活用しているのが、「国際気象海洋株式会社の発雷確率」です。
自分は雷予報にはこのサイトを活用して必ずチェックしています。3時間ごとの発雷確率を日本列島にビジュアル的に表現してくれており、一目でわかります。
日本の発雷確率は気象庁提供となっており、信頼性も申し分ありません。
このサイトでは、高層天気図や6時間降水確率や土砂災害の危険度指標でもある土壌雨量指数など多くの天気情報を見る事ができるので重宝します
このサイトのイマイチポイント
日本全体を表示しており、詳細な場所の雷予報はわからないのが難点です。そのほかの天気情報も全体的な表示ですので、大まかな把握がメインになります。
Windy
このサイトは世界中の風の動きを視覚的に見ることができるサイトです。サーファーの方がよく使っているサイトです。
特徴は、なんといっても風や雨雲の情報がビジュアル化されていて動きもあるため、視覚的に見ることができる点です。
標高別に風の流れを確認する事もできて、非常に便利です。自分は、主に風の動きを確認したいときに使っています。
このサイトのイマイチポイント
ただ、機能が多すぎて初めのうちは、使い方がよくわからなく慣れるまでに時間がかかりますが、ハマる人には刺さる天気予報サイトです。
天気予報活用法
天気予報サイトを活用するにあたり、自分の中での基準を設けましょう。
例えば、風速10m以上の時や雷注意報が発令されていたら登山中止にするといった明確な基準を事前に設ける事で、無理な登山をする事がなくなり、気象遭難のリスクを大幅に減らすことができます。
登山2週間前の活用法
登山2週間前には、各天気予報サイトで2週間天気を確認できるようになります。行きたい山域の天気と行きたい日の前後の天気と天気の移り変わりを確認しましょう。
この時点で重要なのが、天気予報サイトを確認しつつ、地域の違う3方向に行きたい山の候補を設定しておく事です。
一つの山に絞っていると天気が悪くても行きたいくなり、悪天候に見舞われる可能性があります。方向の違う山域で候補を決めておくことでこの先の天気を見ながら決めていく事ができます。
登山1週間前の活用法
登山1週間前には、まず気象庁の週間天気予報で、登山の予定日の天候を確認しましょう。3日目以降の降水の有無についての予報の信頼度を見ることができます。
信頼度は予報の的中しやすさと予報の変わりにくさをA/B/Cの3段階で表現しています。信頼度Aのときは、明日に対する天気予報と同程度の予報精度になります。
また、その他の天気予報サイトも確認し、どの山に行くかを決めていきます。一つの天気予報サイトで決めるのではなく、3つ以上の天気予報サイトを確認して総合的に判断しましょう。ただし、1週間前だと天気が変わる事もありますので、行きたい山は仮決めです。
この時点で活火山に登山される場合は、気象庁で火山メニューで警報等をしっかりと確認しましょう。
登山2日前の活用法
登山2日前には、天気予報だけでなく、雷予報も確認します。国際気象海洋株式会社のサイトでは雷予報が3日前から3時間ごとの雷予報が見れます。
2日目にはだいぶ精度が高い予報になっています。また、WINDYで風の状況を確認して、実際に行く山を決定します。
大雨注意報・暴風注意報・雷注意報が出ていたら登山は中止しましょう。
登山前日の活用法
登山前日には、行きたい山の天気情報を再度確認します。内容は登山2日目と一緒の内容です。各注意報が出ていたら、登山は中止をしましょう。
各天気サイトにより更新タイミングがありますので、前日は各更新タイミングで確認する事も重要です。
ちなみに気象庁の天気予報は、5時、11時、17時の1日3回発表されています。
各更新タイミングで確認する事で、天気が怪しい場合には第二候補の山を調べてみましょう。
登山当日
登山当日は、起床後すぐに天気予報サイトを確認します。
自宅から行きたい山域の距離によりますが、遠い山域へ行く際は、AM1時とかAM2時出発とかがあります。その際は、前日の天気予報から大きな変化はないですが、再度天気予報と注意報の発令は必ず確認しておきましょう。
朝が遅めの出発の際は、毎日5時に更新される気象庁の天気予報を確認しましょう。
天気予報の悪化や注意報が発令されていたら登山を中止しましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
これまで説明させていただいたように、登山をするには天気の確認が非常に重要です。
天気予報サイトの活用方法としては、複数の天気予報サイトを確認する事が重要です。
また、登山計画も第三候補くらいを用意して、選べるようにして、無理をしない安全登山を心がけていていきましょう。
しっかりと天気予報を活用する事で、安全に山歩きを楽しんでみてはいかがでしょうか。
ぜひ山での非日常を味わってください。あなたの安全登山を応援します!やってみよう!
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