ツェルトとは、急な雨や遭難などの不測の事態に備えて携帯する簡易テントのことです。
登山時に急にビバーク(野宿)が必要になったときだけでなく、いろいろな使い方ができます。
また、テントと違いコンパクトで、大きさは畳めばコンパクトになり、200g以下のモデルもあります。登山をするときには、必ず持っておきたいアイテムです。
ただ、ツェルトには種類が多く、どのように選んだらいいかわからないですよね。
そんなツェルトでできることや選び方をご紹介していきます。
多様な使い方ができますので、自分のおすすめは「1〜2人用のツェルト」です。この記事を読むことで、自分に合ったツェルトの選び方を学ぶ事ができます。
そこで今回は「ツェルト」について解説していきます。
もしもの時の命綱 ツェルトとは?
ツェルトは、ドイツ語で「テント」を意味します。
日本では一般的に、登山での不測の事態の際に緊急避難時などに使用されるのシェルターのことを指します。
ツェルトは一般的な山岳テントに比べると居住性は悪く快適とは言えません。ただし、コンパクトで軽量ですので持ち運ぶ負担が少なくて済みます。
ただ、なかなかのお値段のため用意するのに迷うと思います。しかしながら、日帰りの山行でもツェルトは、必ず携帯すべきアイテムです。
想像してみてください。例えば、日帰り登山をしている際に道迷いをしてしまい、日没になりました。暗くて身動きするのは、ヘッドライトがあっても行動が危険。
そんな時がツェルトの出番です。ツェルトを設営したり、上からかぶることで寒さや雨などから身を守って消耗するのを防いでくれます。
ツェルトの中で救助をまったり、一夜を過ごして冷静になってから翌朝から行動し返すなどをすることで助かる確率が上がります。
実際に日光白根山にいった際に、山頂で急に風が強くなり、ガスって寒くて大変でしたが、ツェルトを被って寒さと風を凌ぐ事ができました。有効性を実感しました。自分も助かる確率を上げるために、必ず携帯するアイテムです。

ツェルトでできる4つのこと
ビバーク(野営)
ツェルトの基本的な使い方としては、緊急時での出番が多いので風が強かったり、遭難していたり、しっかりと設営出来ないです。
その際は、そのまま被るのように活用して、被ることで野営をしてその場を凌ぐ方法です。首を出して待機する方法とすっぽりと被ってしまう方法があります。
遭難時に、実施することで無駄な消耗を抑え、生存確率を上げれますので、必ずツェルトを携帯しましょう。

次は、テント泊です。ツェルトはビバークテントと言われますが、そのコンパクトさと軽量性からツェルトでテント泊をされる方もいます。
ただし、ツェルトは山岳テントに比べて風に対して弱いことや居住性が低かったり、設営にコツが入ります。そのため、設営環境や場所を選ぶため、中級者向けですので、慣れてきたらTRYしてみて下さい。

ツェルトを持っていると、思ったより寒い山頂でかぶることで暖かく休憩することができます。
また、ツェルトをかぶることで、目隠しにして着替えができるので、下着を着替えることも可能です。ポンチョとしても使えるタイプだと便利です。

ツェルトのポンチョタイプのものは雨具としての代用できるものもあります。さらには、ザックの上から羽織れるものもあります。ツェルトは完全防水でないモデルが多いので、緊急時での対応用として考えておきましょう。

❶サイズ選び
ツェルトはサイズは一人用の非常にコンパクトな物から4人用の大型ツェルトまで様々なタイプがあります。
ソロ登山のみでの使用であれば一人用のコンパクトなタイプで良いですし、グループ登山用であれば、大きいものを持っていく必要があります。
サイズに関しての自分のおすすめは「1〜2人用のツェルト」です。少し狭いですが、テント泊として将来活用することもできますし、友人と行くときは最悪の場合2人までビバークする事ができます。

コンパクトで軽量なツェルトは、バックパックの中でも場所を取らずに気軽に持ち運べるのがメリットです。
ツエルトの中には、350mlの缶程度に収まる商品もあります。自分の山行に合ったサイズの中でコンパクトで軽量なものを選ぶようにしましょう。

ツェルトは、サイドリフターの有無によって居住空間の広さが大きく変わります。サイドリフターとは、ツェルトの外側のサイドからしっかり引っ張るためアイテムです。
サイドリフターを使えば、ツェルトの側面を引っ張ることで室内が横方向に大きく広がることで、居住空間が広く確保する事ができます。
できるだけ、サイドリフター搭載のモデルを選ぶようにしましょう。着いていない場合は、サイドリフタ-を自作することもできます。
ツェルト内側に100円玉を入れて、外側から細引きを巻きつけて縛ります。細引きの端をペグで固定すれば即席のサイドリフターとして機能します。

ツェルトの設営に必要なもの
ほとんどの場合、ツェルトを購入しただけでは、張ることはできません。なぜなら、ツェルトは本体のみで販売されている事がほとんどだからです。
設営にはトレッキングポール2本(もしくはツェルト用ポール)、張り綱2個、ペグは最低8本は用意しておきましょう。
わからない場合は、ショップの店員さんに確認してみましょう。また、このあと、関連アイテムをご紹介しますので参考にしてみて下さい。
ツェルト本体 | 1個 |
張り綱 | 2本 |
ポール(トレッキングポール) | 2本 |
ペグ | 8本 |

ツェルト張り方 7つの手順
ツェルトは一般的な山岳テントのように骨組みがありません。ですので、きれいに張るには慣れる必要があります。
ただし、コツをつかめば簡単に設営できます。スムーズに設営できるよう、実際に使う前に公園や広場などであらかじめ3回以上練習するをおすすめします。
①張り綱をフレームに取り付ける
購入したら、フレームに張り綱をつけましょう。トレッキングポールを使用しない場合でも木などに固定するのに使用できるので,常時取り付けておくと便利です。

②入口のチャックは閉まっているか確認する
入口のチャックが完全に閉まっているか確認します。完全に閉まっていないと、入口側のポールを立てる時に、上手くテンションをかける事ができません。必ず確認しましょう。

③設営する広さに合わせて、ツェルトの四隅のループにペグを打ち込む
ツェルトを地面に置いて四隅のループにペグを打ち込みます。この際の注意点は、それぞれの辺が真っ直ぐになるように、少し引っ張りながら張りましょう。
ここを適当にやるとツェルトが上手くたたないことがあります。ただし、破れる恐れありますので、テンションをかけようとして引っ張りすぎには注意してください。

④片側ずつポールを立てて張り綱を仮固定し、自立させます
ポールの先端部分をフレーム受けのリングの中に差し込んでポールを立てます。
ポールを立てたらすぐに、V字型の張り綱のどちらか1本をペグなどで仮固定します。その後もう一本もペグで仮固定を行います。反対側も同じ要領で作業を行います。

⑥サイドリフター(横の張り綱)を張る
両方のポールが立て終わったら、サイドリフターをペグで仮固定します。バランスを見ながらテンションをかけて仮固定しましょう。
サイドリフターが付いていないツェルトの場合は、下記のように100円玉を内側に入れて細引きを巻き付けることで代用することができます。

⑤張り網のテンションバランスを調整する
仮固定した各張り綱を引っ張り、それぞれの張り綱のテンションがバランス良くなるように調整します。

⑦寝る前に張り綱のテンションを確認しながら貼り直す
これが最大のポイントです。ツェルトは柔らかい素材のため、湿気を帯びて必ずたるんできます。
再度、張り綱を一回張り直すことで、しっかりとテンションをかけた状態での設営ができます。これをしないと、夜中に内側に垂れてきたりしますので、実施されることをおすすめします。
ツェルトを張る際の注意点
ツェルトは、内部にフレームがないため、風の影響をものすごく受けますので、稜線のテント場や強風時にはおすすめできません。風の影響を受けにくい森林地での設営にしましょう。
また、防水性能も山岳テントに比べて、だいぶ劣りますので雨や雪も避けるようにしましょう。シングルウォール(壁が1枚)のため、結露をしやすくなっていますので、寝袋を含めて、結露対策をしっかりと行うことをおすすめします。

おすすめのツェルト 5選
モンベル ライトツェルト 【1人〜2人用】
言わずと知れた、アウトドアブランド モンベルのツェルトです。
ライトツェルトは保水しにくく、伸びにくい生地を使用した軽量の1ツェルトです。生地に防水コーティングを施しており、耐水圧1,500mmとなっております。
モンベルは買った時点で天頂部にもシームテープ処理をしてくれていますので、天頂部からの漏水を防いでくれます。
また、酸欠を防ぐため、ベンチレーションは完全には閉まらないようになっています。入口ジッパーを全開にするとタープとして使用可能です。
※通常のテントと異なり完全な防水性はありません。本体のみの販売ですので、張り綱・ポール・ペグは付属していません。

MONT BELL モンベル LIGHT ZELT ライトツェルト
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